人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

endless thema -144------ 九月、その二/satisfaction

ルリタテハが庭の葉っぱに触れてはまた触れ、と幾度も繰り返していた。あれから数週間。孵化した幼虫もずいぶん大きく育っている。幼虫のエサとなるホトトギスの葉の成育も良好。きっと元気に育ってくれることだろう。 少し前の事になるが、ラジオからザ・ロ…

endless thema -143----- 九月/相変わらず

前回から随分と経ってしまった。下書きは始めても、なかなかおぼつかないといった日々が流れた。四月の始めころ、妻が発芽して間もない楓の産木をいただいてきた。写真にみえる葉の下側には舞い降りるための赤いハネがみえる。ブーメランのような仕組みで、…

endless thema -142------五月 立夏過ぎ行く日に/AED 

毎年、らでぃっしゅぼーやから雨水も終わるころに桃の枝が届く。今年はクルーの方から「霧吹きで世話するといいです。」と教えて頂いた。いつも咲きかけては咲かなかったが、三月に入って間もない日に咲いた。八重のやさしい花びらの「花桃」というと呼ばれ…

endless thema -141------二月/雨水草木萠動

晴れた日のサンルームは随分と暖かくなってきた。もうじき草木が芽を出し始め春の風になる。干してある椎茸に穏やかな日差しが降りそそぎ、ゆっくりと旨味をため込む。 裏庭のクリスマスローズの蕾がくびをもたげ始めてから二週間余たった。まだ、朝の冷え込…

endless thema -140------立春/鼠走

昨暮から咲いている白ワビスケはまだ元気に花をつけている。とじ気味の白い花びらは控えめだ。蕾の育ってきたジンチョウゲ。初風にさそわれ、馥郁と匂い漂う季節が来るのが待ち遠しい。 毎年其の年の干支に因んだ建築語彙を賀状や寒中見舞いに使う。今年は鼠…

endless thema -139------十二月つづく月そしてつづきの月へ

寒さも深まり、いつのまにか冬景色がただよい、サンルームでは結露が著しくなってきた。裏庭ではカマツガの実が深紅になり葉も赤く染まっている。ラズベリーレッドの実にローズレッドの葉のコントラストが美しい。 冬至を過ぎると途端に陽が高くなってくる。…

endless thema -138------十二月/セピアの記憶 

頬を横切る風がうれしい小春日、玄関先ではセンリョウの実が色づいている。日差しは穏やかになり、サンルームを照らしている。干してあるかぼちゃのタネは薄皮が剥がれるくらいになったら丁度いい。空煎りしてから殻を割り実を食べる。香ばしさも相まって、…

endless thema -137------四月/猪の目 ino-me

庭の草木たちは寒さを覚えるときから日々刻々と時を刻み、実のあるものは赤く熟し、花をつけ、香りのあるものは香りを放ち、今ではシラユキゲシが咲き始めている。紫明通にある紫明会舘の古木の桜も満開となっていた。淡い春色の白い花びらが長閑にそよ吹く…

endless thema -136------十二月/巣立つ

寒暖のゆきかうなか、前庭のシロワビスケは先月初めから咲き始めている。心持ち早めの開花は天候不良によるのだろうか。少し閉じ気味の控えめな花は、しとやかにもおしゃまにもみえる。 裏庭ではルリタテハが羽化している。不気味な顔つきのルリタテハの蛹は…

endless thema -135------爽秋。蒼い実、黒い実、黄色い実

朝夕は秋の深まりさえも感じる。裏庭でルリタテハが飛んでいるのを見かけてから随分と経つ。今ではホトトギスの葉の裏で幼虫が育ち、蛹になるのも間直である。少しづつ季節が寒さに向かい動いている。冷え込みも増してきたが、うまく羽化していくといい。 溜…

endless thema -134------五月/初夏の麗らかな喧噪

いただきものの黒落花生。薄皮が深い紫色をしている。 紫色をしているのは、ポリフェノールが豊富らしい。 薄皮ごといただくと、香ばしい香りが鼻から抜ける。 裏庭の青紫のミヤコワスレは先月下旬に咲き始めた。 毎年、白も青も同じ頃に咲いている。 今年は…

endless thema -133------April come/隅櫓

April comeとは言っても、ゴールデンウィークも間近に迫ってきた。暑さが際だち始め、シラユキゲシの合間からはミヤコワスレも咲いている。前庭では花山椒の花が咲いている。さわやかな初夏のおとずれのような匂いがする。 丁度一年程前、名古屋城本丸御殿の…

endless thema -132------賀状/建築語彙

暮れには生け垣のサザンカがたくさん長く咲いていた。白い大きな花びらは冬に似合う。初月の日。庭の植木に水やりをしながらはく息が白い。呼吸が気持いい。クリスマスローズの蕾が大きく育ってきた。八重のツバキの葉には随分と前からカイガラムシが繁殖し…

endless thema -131------LED

我が家の照明器具の取り替えは越してきて以来となる。玄関の門灯や台所や洗面の照明器具をLED仕様で新たにした。瓦屋根に格子戸のある外玄関で、雨掛かりのない軒下にODELICのガラスシェードのものを付けた。きらっとしたミニクリプトン型のLEDの光源はガラ…

endless thema -130-----ブログに引っ越しました。

「マンスリーホットライン」が終了し随分と月日が経ってしまったが、ブログに移行しこれまでと同じテーマで進めて行こうと思っている。裏庭のホトトギスは未だに咲いている。久しぶりにやってきたルリタテハ。最後の蛹が羽化し羽を広げている。 校友会の小冊…

Vol.134「endless thema - 129」(17年02月)

--------二月・最終回ですが、つづきます/空気感 雪どけの音 年明けの寒の内、小寒水泉動のころに京都でも雪景色になった。 雪の白さは日差しに反射してきらきらしている。 しんしんとした雪音は、日が昇り、次第に雪どけの音に変わってくる。 マンスリーホ…

Vol.133「endless thema - 128」(17年01月)

--------始まりの月/鳥衾いろいろ ワビスケ 我が家の前庭のシロワビスケは暮れにはまだ間もある頃に咲き始めた。 気がつくと少しだけ静かに咲いているワビスケだったのだが、いつもよりおびただしく思うほどに白い花をつけている。 ラッパのような咲きかた…

Vol.132「endless thema - 127」(16年12月)

--------十二月/赤い葉、赤い実 古木のサクラ 紫明通の中央に連なる紫明せせらぎ公園も、もうじき冬景色になる。 地面には黄紅葉した落葉が重なりあい絨毯のようだ。 紫明会舘の入り口にある古木の桜も美しく紅葉し、せせらぎ公園の景色にとけ込んでいる。 …

Vol.131「endless thema - 126」(16年11月)

--------十一月/日々深々なり ギンミズヒキ 鉢からこぼれ地植えになった前庭のミズヒキソウ。 白いギンミズヒキに混じり赤も咲き、窓先の石積み近くに列をなしている。 少し摘んで花入れに入れた。花のような顎は朝開き午後には閉じてしまうという。 長く咲…

Vol.130「endless thema - 125」(16年10月)

--------十月/かみな月・・・夜長 あっと言う間に減ってしまったジューンベリージャム 空はめっきり秋いろになっている。うろこ雲が空の高さを際立てている。 十月はかみな月ともいう。 いただきもののジューンベリージャム。ジャムよりさらっとして甘さ控…

Vol.129「endless thema - 124」(16年09月)

--------九月 白露/日々のくらし・・・ 粋々 アローニャの実 カマツカの実が熟している。 なかでもセイヨウカマツカのアローニャと呼ばれているアロニア・メラノカルパで、大きくなると3メートルほどに成長する。 果実はジャムや果実酒などにも使われポリフ…

Vol.128「endless thema - 123」(16年08月)

--------八月/立秋そして処暑へ 観賞用トウガラシのパープルフラッシュ 裏庭に置いた観賞用のトウガラシはパープルフラッシュという。 風通しの良い日のあたるところに置いている。 グラデーションのように、クリーム色、薄緑、薄紫、紫、黒紫の葉をつけて…

Vol.127「endless thema - 122」(16年07月)

--------七月/白南風・・・日々のくらし フウチソウ アゲハチョウの若齢幼虫 玄関先に置いたフウチソウが風に揺れている。風知草と書く。 見つけるのが難しい程の穂のような花は、秋風を感じる頃になると咲き始める。 先月号に登場したアゲハチョウの幼虫は…

Vol.126「endless thema - 121」(16年06月)

--------六月/初夏 レモンの花 アゲハチョウの幼虫 少しづつ居場所に馴染んできたレモンの蕾は暖かさにさそわれ咲いている。 食べかけの葉っぱの先にはアゲハチョウの幼虫も大きくなってきた。 アゲハチョウの幼虫は柑橘系の葉っぱを好む。 生まれたての幼…

Vol.125「endless thema - 120」(16年05月)

--------五月/初夏へとゆきあう のらぼう菜 のらぼう菜と言う野菜が届いた。 飢饉を救った野菜ということで、あきる野市の子生神社には「野良坊菜の碑」があり、江戸時代中期に領主が栽培を奨励し天明天保の大飢饉に人々の命を救ったことが刻まれている。 …

Vol.124「endless thema - 119」(16年04月)

--------四月/長閑にうららかおだやかに クリスマスローズ 今か今かと首をもたげていた鉢植えのクリスマスローズも突然のように咲き始めた。 春のうららかな日差しに呼応しているかのようなクリスマスローズは少しうつむき加減にはにかむように咲いている。…

Vol.123「endless thema - 118」(16年03月)

--------三月/早春淡々淡 バイモユリ 立春から一ヶ月余が過ぎた。 時折早春らしい日差しも感じられるようになったが、裏庭はまだ冬の名残がつづいている。エビネは一月末の氷点下で鉢に残った雪が凍りつき葉の痛みが目立つ。 植木棚に置いた一粒だけ残った…

Vol.122「endless thema - 117」(16年02月)

--------二月/日々の暮らし健やかに ツルハナナス ジンチョウゲの蕾 昨年来の天候変動が影響しているのか庭のモチノキやセンリョウは実がかなり少ないようだ。 さほど気に留めることもなく見過ごしていたが、裏庭のヤブコウジも花も少なかったが実も今は一…

Vol.121「endless thema - 116」(16年01月)

--------初月/冬花彩彩 詩仙堂のサザンカ 京都一乗寺、白川通を東に坂をいくと詩仙堂がある。 門を覆うような白花のサザンカの見事さに驚かされる。 澄んだようにみえる冬色の白は季節を装う。 門越しに石段が見え、その先にある無比な出来事を思い浮かべな…

Vol.120「endless thema - 115」(15年12月)

--------継ぐ月/未来へのアプローチ ラ・フランス 環境に優しい近所の八百屋さんで買った西洋梨のラ・フランス。 熟しその香りに引き寄せられるまでもうしばらくのがまん。 かたちは少し歪だがとろけるような舌触りで美味いはず。 五月頃に白い小さな可憐な…