人と自然と建築と

nonobe's diary

Vol.8「endless thema -5」(06年8月)

-------蕎麦屋で一杯

 

蕎麦をあてに酒を飲むのはなかなかいいのである。
それに、蕎麦のうまい蕎麦屋のあては格別うまいし、
あてがうまい蕎麦屋は蕎麦もうまい。
箸も細めで特に先がすーと細くなっていれば、当然蕎麦もうまい。
そもそも江戸における蕎麦屋という場所は、カフェの居酒屋版みたいなもので、
一杯やりながら交友を深めたり情報交換したりという場所だったらしい。
私の住んでいる北区に大徳寺というお寺があり、そこを南の方へ下ったところに、
うまい蕎麦屋がある。
うまい蕎麦というのは、そのままでも旨いし、
岩塩を少しつけて食してもこれまた旨い。
勿論、冷たいざるなどがよく、山葵やさらし葱など入れないで、
つゆにつけて食うのだ。途中で口直しにそのまま食し、
残りをまたつゆにつけて食すのだ。
勿論、酒は最初にあてと蕎麦でやるのがいい。

こう書いてしまうと酒のみのように思えるのだが小生は決して酒のみではない。
すぐに酔ってしまうので小さめの蕎麦猪口でもう十二分なのである。
うまい物好きといってほしいのだが、休日でも昼間蕎麦をあてに一杯というと
何故か他人の目が気になってしまう。ちょっとが止まらないひとは困りものだが、
ちょっとで十分な私のような者にはこのうえもなくうれしいものだ。
人に聞くところによると、スペインやイタリアでは午後の昼食をとりながら
ワインやビールを飲んで楽しく過ごす。
お国柄なのだろうが、わが国でも市民権を得たいものだ。
勿論そこには良識という二文字がついてまわるのはいうまでもないことなのだが、
これが守れない人が多く困りものなのは、日本人だけであろうか。

上御霊さんの参道を少し下がったところにも旨い蕎麦屋がある。
ここにはあてはないが酒はある。(あつあつの蒸したてのそば饅頭はあります。)
近くの魚の旨いスーパーに女房のアッシーで買い出しに車でいくときに寄るので
残念ながら酒は飲めないが蕎麦は旨い。
二八の細めんで、大ざるを一枚食してから買い出しに行くのである。
蕎麦は二八というが、私はそば粉100%の荒挽きのほうが好きだ。
また、白くなるくらいに丁寧に丁寧に挽いた蕎麦もいい。
細目に打ったこいつは腰があり喉越しがよくするっと食せる。
などと考えていると食いたくなってくるのだ。
N.Y.さんと「蕎麦屋で一杯」の約束をしたのを思い出したのだが、
今、風邪をひいていて電話出来ずにいる。
治るのを待ってさっそく連絡する事にしよう。



・・・・・・今年は正月早々から風邪をひき、体調を崩してしまった。
それがよかったのかすこしづつ徐々にテンションも上がってきた感がある。
急にテンションが上がるとそのあと長期に持続するのが難しく
すこしづつテンションも下がり五月病風になっていくのだ。
ことしは風邪のおかげかどうかスローなテンポでブギウギであった。
それで、色々と原稿の書き溜め?も出来たのである。

某建築専門学校で建築設備を教えているU.T.氏にもこの小冊子を届けている。
学生諸氏にもこの小冊子を実務的な見地からということで
学校の図書室に置いてくれているのだ。
それを思うとこんな内容でいいのだろうかなどとも考えているのだが・・・。


 

ますますマエフリと本文の区別がなくなる。
終いにはマエフリだけになってしまうかもしれない。

 

 

-------N.Jさんの織物

 

私の知人で紡ぎ織りをしているN. J.さんという人がいる。
正確には女房の友人といったほうがいいのだが、通称 shi-ba といい、
ひょんなことがきっかけで絹のマフラーを編んでもらうこととなり、
急がないので時間のあるときにとお願いしてあったのが出来上がったということで、
昨年の暮れ恒例? の食事会も兼てオジャマする事とあいなった。

 

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絹のマフラーは、やさしい肌ざわりと
その深みのある光沢が魅力です。
陽のあたりかたによってその表情は変化していく。

 


N夫妻は夜景の美しい宝塚の雲雀ヶ丘という高台で暮らしている。
高台と言うだけあってさすがに急な坂道のずーとずーとずーと上である。
今回は二度目の訪問で、前回オジャマ虫をしたのは夏の真っただ中、ちょっと??
暑かったが自然の風がきもちいい日で、すこしくたばって?!いたのだが・・・。

この家には、林太郎(くれぐれも林でくぎらないでください。
フルネームは、N.林太郎である。)という鼻先が黒い色の雑種の犬が
敷地の中を駆けずり回っています。
もうすぐ三才ですが、しつけもすこしできていて、
わたしの言うこともわかるようです。足にしがみついてくるのは最初だけで
ちゃんと「伏せ」もしますし「待て」もします。
特に「待て」ができるのは自分を抑えることを知っているのです。
人を噛んだりするのはいけないことだとわかっている犬は、
大きめのたべものは口でそっとくわえます、決してかんだりはしません。
そして、小さいたべものは舌で舐めるように食べます。
犬とプロレスをするという犬煩悩なご主人のN.Y.さんは
私たちの着くのを待っていたかのように、着くなりビールが出てきた。
うれしい。やはり、昼間っからのビールはうまい。

N. J.さんは糸を紡ぎそれを染め織物を織るのだ。

 

 

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織り機

 

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織り機

 


それも自然の染料を使用して染め、紡ぐのは写真の器械というより
木でできた道具である。 糸は、麻、ウール、絹とおおよそなんでも
紡ぐことができるものであれば可能でしょうか。
この紡ぎ器は足で踏むのだが、踏み方は一定でもリングの部分の金物には
糸の送り方で適度にブレーキがかかる。
というよりは車のクラッチのようにうまく空回りするように出来ており、
シンプルであるが仕組がおもしろくできており、
紡ぐ糸の太さを自由に変えられるようになっている。
この紡ぎ器は手作りらしくあまり数が出てなく入手するのは大変だそうだ。
形とデザインは昔も今も変わらないといったデザインである。
私などはこの紡ぎ器に興味をひかれ、少し素材やデザインなど考えながら
紡ぎ器を制作すると面白いものになりそうと思うのであるが、
以前にこのことを話したのだが、この素朴な感じがとてもいいらしい。
こうしてでき上がった糸を織り器で織っていくのであるが、
イメージした作品はいったいどの段階で色になりかたちになるのだろうか。
でき上がったいろいろな糸から形にしていくのだろうか
それともイメージしたものが最初にありそれに合わせた色やテクスチャーの糸を
紡ぐのだろうか。「卵が先か鶏が先か」と同じかもしれない。
などなど考えるとやはり建築を技とする私にとって
たぶん後者なのだろうと思うのだが、反面、建築は完結した個の集合もしくは
連結により全体を形成するという理論も成り立つので、優柔不断な私の場合
きっとその中間的にケースバイケースな思考をうろうろしながら考えているのだと
自己分析してみました。

いろいろ組み合わせながら織りかたの試行錯誤などの繰り返しの結果
一つのものにしていくという手段もある。
ふむむむむ、一度聞いてみなければいけないのだ。

織物と一口にいってもいろいろで、マフラーやショール、手袋にひざ掛け、
タペストリーや敷物、それにうたた寝?用、お洒落?用まで各種あるのだ。

 

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マフラー

 


分けてもらった二枚の絹のマフラーは写真のものなのだが、
写真ではなかなか素材感や表情までも伝え切れないのが残念ではあるが、
一枚はラフに紡いだ数種類の糸を裏表色彩を変え編見込んであり、
その糸の太さがと言っていいのか独特の光沢があり、美しい艶を出している。
そして両面の色を見せるように身につけるとなかなかgoodである。
太さ、色、光沢という言葉で表わしたのだが、実際にはそれらが三位一体と
ひとかたまりになったもので認識しているのだろう。

 

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マフラー

 


もう一枚は、細い糸で緻密に編み込んであり、
編み方を説明するのが大変難しいのだが、同系色の二色の色でリブ編みのように
なっていてこのリブがバネの役割をしているので糸の細さとは裏腹に
リュウムのあるテクスチャーとなっている。
また、縦リブの太い部分と細い部分の色を変えてあり、
裏面はその色使いが逆になっていると説明しておこう。
勿論二枚共、どちらが裏でどちらが表ということがなく、
言うまでのこともなく両面みせることでより一層表情に深みを増すのである。
やはり、手間ひまかけ丹念に作られたものは、それだけの成果がでるのは
どの世界も同じなのだろう。建築も時間に左右されることなく
思考錯誤を繰り返していかなければならないのだが、
設計の段階はさることないが如何せん現場は容易くは待ってくれないことが
大々にあるのがやまない。

帰りは、N夫妻が林太郎ともども駅まで歩いて送っていただいた。
ただ坂道が急で、なれないと息切れする。
でも、市内の夜景を見ながら歩くのは気持ちのいいものである。

あ~っと、その日のメニューを書くのを忘れたが、黒豆のみつづけ、
三種の豆とアボガドのサラダ風あえもの、すりおろした山芋の揚げもの、
鰯のつみれのすまし、小芋(煮っころがしを揚げてある)のあんかけ、
ローストビーフ、鯛のこぶ〆酢洗い、ばら寿司、それとサーモンのディル風味
(これは持参品で、kitos というフィンランドパンの店で寒くなる時期に買えます。)
でした。旨いご馳走と、ゆったりとした時間そして楽しい一時をすごし、
待った甲斐があったマフラーを手に帰路についたのである。



 

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