人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

Vol.15「endless thema - 10」(07年3月)

 

-------我が家の暮らし/ここちいいもの  その1.....炭火の手炙り

 

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●手炙りの左に置いてあるものは消炭入れの壺です。

 

炭で沸かしたお湯はなるい。
寒くなるとよく炭を熾し手炙りにやかんをかけお湯を沸かします。
いつも使う炭は「切炭」と呼ばれるもので、おもにナラやブナの広葉樹からつくる。
名前は分らないが、写真のような火を熾すものがあり、それに切炭を三~四個ほど入れ最初にコンロで炭に火を熾し、
それを手炙りに並べる。
並べるときは、炭と炭の間の下のほうをあけ気味にし、そこから空気が炭と炭の間を抜けるように上がっていくようにし、その隙間を灰で塞いだり開けたりして火の勢いを調整する。
結構こまめに様子を見ないといけない。

 

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●火を熾すもの。
ここに炭を入れガスコンロにかけます。
中央に丸い穴の開いた蓋をすると気流が早まり火も早く熾ります。

 

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●こんな感じの切炭を使ってます。

 

我が家では、鉄瓶ではなく錫に銀メッキのやかんを使っている。
当初は岩手の南部鉄の鉄瓶にするつもりだったのだが、どうも手炙りに合わない気がして、うろうろと探してしているうちに見つけたのがこのやかんである。
直接火にかけていいのかどうかは分からないが、マア今のところ大丈夫のようである。
手炙りは実家の母が婚礼の際に持ってきたもので、戦後の物資が貧しい時代に祖父母が用意したものらしい。
実家を建て替える際いくつかあったうちの陶器でできたものを2個を譲り受けてきた。
かなりの高温で焼かれたのか、はたまた、本人が聞いたらおこられそうなのだがそれほど高価な代物ではないのだろうか上のほうが歪んで楕円になっている。

私が子供の時分に実家で親戚の寄り合いなどがあると使っていた時を思い出すのだが、皆灰皿がわりにタバコの灰を捨てたり消したりしていたのでタバコの灰入りとなっている点が少し気がかりだが、灰自体は細かくて良さそうにみえる。
私は吸わないが、喫煙には批判的は時代となり手炙りを囲んでタバコ片手にわいわいがやがやなどと言うのも風情があるといえばそうなのだろうが、遠い過去のノスタルジアに違いない。

 

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●灰の床を叩くようにならし、ゴトクを据える。

 

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●手炙りにやかんを乗せるとこんな感じです。

 

炭の匂いというのは、なかなか良いものだ。
それも火が熾っている時の匂いはいい。
我が家が狭いということもあるのだろうが、部屋中に炭の匂いがただよっているというのもなかなか上気分である。

それにもまして、時間が長く感じられるのは心的にもいいことであるのは間違いのないことだろう。

 

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