人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

Vol.46「endless thema - 41」(09年10月)

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-------もう秋/オフイスの顔

 

庭の萩が咲き、鉢植えのミズヒキソウもちらほらと。
もうこんな季節になってきた。
宅配をお願いしている"らでぃしゅぼーや"のパレットに
"白なす"と言う茄子が入っていた。
名菜百選というシリーズで伝統的な野菜や珍しい野菜を届けてくれる。
白なすは名前の通り白い茄子。
添付の説明書によると、「なす紺」という紫色が形成されず、
葉緑素のない茄子ということらしい。
茄子の原産はインド東部で、中国から伝わり奈良時代には
栽培されていたということだそうだ。
様々な形状の品種と、一般的な紫黒色の他、
薄緑色や薄黄色、そして白と豊富である。
白なすの多くは観賞用だと言う事だが、当然食べられる。
味見でそのまま少しかじってみた。
やはり皮の部分は歯ごたえもありかなり硬い。
が味は、当たり前だが茄子である。
世の中白い食品は数々ある。
白なすが出回らないのはメジャーでないが為?
あちこちで当たり前の様に見られるようになれば違和感はなくなるが、
珍しいと言う事で残っていくのが良いようにも思う。
九月いっぱいが出荷のめどらしい。

 

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気づかないうちに、もう秋。
移転して一ヶ月余、郵便受用に使っていた小さな表札を
パソコンでプリントアウトして仮に張っていた。
オフイスの表札をどうしようかと思案していた。
前から使っていたものか、いやこの際新調しようか。
と、なかなか踏ん切りもつかずにいた。
なやんだあげく、いつもと同じいつもと変わらぬ風情で、
なにげなく、さりげなくそぉ~と掛ける事にした。
場所が変わったとはいえ、
変わりましたよと主張もせずいつも通りの顔である事を選択した。

顔は300角のステンレス板、掛けるために加工しなければならない。
取り付け場所は玄関の格子戸。
さて、どうやって掛けるか。引っ掛ける金物を作り、
格子のヨコ桟にひっかけるのが手っ取り早い気がする。
さっそく、仕事仲間でもありこの顔の製作者でもある
旧友の小野さん(※立体美術)に協力してもらうことにした。

 

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まずはスケッチ。
取り付け桟の大きさやピッチや隙間や厚みやクリアランスを測る。
それを基に、桟の位置に配慮し顔の取り付け位置を決めスケッチを起こし、
金物の大きさなどを決めてもらうためしばし打ち合わせ。

数日後、現物を持参し金物を取り付けてもらう。
板の裏には、前の取り付けの際の名残の両面シートがついたままとなっており、
これをはがすのに一苦労。
汗だくになってはがしてもらう。
仮テープをはり、位置を出し金物を取り付ける。
完了。

 

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急いで持ち帰り掛けてみる。
ん~、いい感じ。ぴったりと桟の間に入る。
訪ねて来る人も「あぁ、ここだ。」
自分らしい方法で、いつもと同じ匂いを漂わせ、
いつもと同じ顔で迎えることにした。

 

※立体美術/京都市中京区西ノ京中御門西町1/tel : 075-811-6940

 

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