人と自然と建築と

nonobe's diary

Vol.64「endless thema - 59」(11年04月)

-------道具の修理/追記

 


窓を開けると漂う沈丁花の香り。今年も満開となった。
先日、卸金が目立ての修理から戻って来た。


卸し金

目立て

ご覧のような仕上がり具合である。早速にすりごごちを試してみる。
流石に職人さんの仕事は大したものである。
生姜をすってみる。
板に吸い付くように、なめらかで瑞々しいままにすり上がる。
「なるほどなあ。」って言いたくなる。
受け取りに言ったときに目立ての修理はどうやるのかを聞いてみた。
でこぼこを削り、焼き入れして、真っ平らにし、
たたき出し、そして目を立てていくのだそうだ。
素人の手習い程度では、最後の行程ぐらいが精一杯。
実際、もう少し簡単なものかと考えていたが、
それなりの道具の修理にはそれなりの技が必要だ。
恥ずかしながら、私もそれなりの知恵を学んだ気がする。


-------がんばろう/震災

去る三月十一日に三陸沖を震源とする大地震が発生した。
その前々日、同じように三陸沖でマグニチュード7.2の大きな揺れがあり、
前日岩手在住の友人に連絡を取った矢先だった。

今回の東北関東大地震三陸沖のプレートのずれによる海溝型長周期地震だ。
私の京都の古家でも揺れた。
というより何かに引っ張られているかのような不快感であった。
建物にはそれぞれのもつ固有の周期がある。
特に長い固有周期をもつ建物は共振する。
自分が感じる以上に、音もなく天井のコードペンダントの
照明器具が振れていたのを思うと、
直接的な震動から受けるものではない不思議な体験である。
長周期地震のことはこの「endless thema」でも匂う程度に触れてきたが、
大阪でも揺れたということなど、
地震による伝搬というよりもゆっくりゆっくりと共振していく。
エネルギーの大きさも然ることながら、その凄さの程が伺える。

マグニチュードは9.0。
押し寄せる大津波の被害で沿岸部は瓦礫の山となった。
福島第一原発は重大な事態に陥り、周椄地域の住民のみならず、
目に見えない恐怖と不安に満ちた時間を強いられている。
これほどまでにつぎつぎと破壊を誘発していく津波の怖さと、
日本は島国だと言うことを改めて認識した気がしている。

各国からの早期援助部隊の到来や、支援、援助は、
日本人としてうれしいかぎりだ。
復興には、なみなみならぬ時間と労力が必要とされることだろう。
あまり多くを語る必要もないが、
私なりに見守りつづけていきたいと思っている。
「がんばろう。がんばろう。」って願いつつ、
被災に負けない姿を見る事で私も元気をもらえる気がしている。
今回、私自身のより確かな記憶として留めておく為にも
あえて書き残しておくことにした。 

 

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