人と自然と建築と

nonobe's diary

Vol.76「endless thema - 71」(12年04月)

-------卯月/未だ春遠からじ

 


卯月。卯の花の咲く季節。卯の花とはウツキの事である。
小さな白い花がびっしりと咲く。うちにあるのはのヒメウツキ。
新葉が沢山出始めたところだ。
八重の椿の蕾も少しづつ大きく色づいてきているが、未だ開花の気配はない。
鉢植えのクリスマスローズは順調に咲いている。
真っ白、赤紫がかった線の入った白、白緑、
紫の花色の四種の寄せ植えは紫色から咲く。


中庭北側のビュー

京都府庁の旧本館でマルシェがあると聞き行ってみた。
そのとき、三月二十日から四月一日にかけて
京都府庁旧本館 春の一般公開」に伴い旧本館を舞台に
新鋭作家とECHOするというECHO TOURというアートイベントが
行われるのを知り探検してきた。
京都府庁の南正門を入ると正面に位置しているのが旧本館である。
明治三十七年(1904年)に建てられ、
2004年に国の重要文化財に指定されて現在も執務や会議室として使用されている。
旧本館内の正庁は公式の行事や式典のほか、一般にも催し会場として使用できる。
建物の構造は煉瓦による組積造で、屋根はうろこ形のスレートで葺かれている。


議事堂前の回廊

建物は中庭を囲んだプランとなっており、
エントランスホールを抜けると吹き抜けのある主階段がある。
主階段を上がって行くとあるのが、南正門から正面二階に見える正庁である。
そして中庭をはさんで、奥が議事堂となっている。
周囲回廊となった四方の各隅には知事室、貴賓応接室、府議会議長室、
参事会室とレイアウトされ、明確な空間構成となっている。
七代目小川治兵衛による中庭の中央には枝垂れ桜が植えられている。
その西側には佐野藤右衛門命名の容保桜(かたもりざくら)という
珍しい品種の桜も植えられ、開花が待ち遠しい。


旧知事室の前室には、ペーパークラフトで制作された京都の文化財の建築模型の展示があり、
スケールは小さいが細部までよく出来ていた。
ペーパークラフトの建築模型もなかなかいいなあと思いながら覗き込んできた。


屋根廻り

東西階段の親柱

議事堂廻りの階段の親柱

屋根のドーマー窓の上部の装飾や避雷針のデザインなど
明治期の洋館の折衷的な様式には内外ともにいろいろな形を見つける事が出来る。
屋内にある階段は、主階段の他に東階段と西階段の二カ所の階段、
それと北側の議事堂の左右に各1カ所づつ設置されている。
手摺を受ける親柱のデザインは議事堂の階段と区別する為か違うデザインにしてある。


主階段

大理石の彫り物

丸窓と天井廻り

天井の漆喰の文様

壁紙

衝立のテキスタイル
 
扉上部の木製の彫刻
 

主階段の吹き抜けは北の中庭からのあかりで明るく開放的な感じを受ける。
吹き抜けに吊るされた照明器具は本来のものとは違うと聞くがよく似合っている。
その天井には漆喰で文様が施されている。
階段脇にある扉の上部に大理石の彫り物を見つけた。
正庁はこの主階段二階の踊り場廊下に接して設けられている。
正庁の窓上部にある丸窓や窓台、天井、腰板などは歴史を感じるつややかな質感。
天井中央には照明器具が吊るされていたのか、漆喰で型取られた文様が残っている。
壁のクロスはノーアスベストらしいがリノリウムだそうだ。
その他にも主要室に設けられた暖炉、その暖炉前の衝立のクロスの文様、 
扉上部の木製の装飾、天井のデザインなど視線の行くところには何かがある。
こういった形を見つけて楽しいのが建築探検。


しだれ桜

京都府庁旧本館の中庭の桜が、一面の花びらの絨毯にしてくれるのはもう少し先となるだろう。
近所の小路のしだれ桜も、まだ蕾は堅く閉ざしたままのようだ。
しだれ桜は遅咲きというが、未だ春遠からじってところだろうか。
歩きながら舞う花びらを想い描く。
暖かくなり小路の路面に舞ったうっすら白い桜色の花びらからは何を想わせてくれるだろうか。

 

***