人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

Vol.116「endless thema - 111」(15年08月)

 

--------八月/おもしろいEテレ

 

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ホウチャクソウの紫黒の実

 

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ヒメイズイ

 

ホウチャクソウの黒い実が深みを増している。
碧緑のうっすら枯れ始めた葉に墨染めのような紫黒の実のコントラストは季節の風景をつくる。
先ごろ、妻の実家からヒメイズイという山野草をいただいてきた。
イズイの小さい種で、半木陰の日があたる場所がいいらしい。
ヒメイズイはホウチャクソウナルコユリの仲間で風鈴のような花が対で咲く。
木陰ですっかり伸びてしまったが、すこし涼しくなってきたら植え替えをするつもりでいる。

木曜日の朝日新聞夕刊には三谷幸喜さんの「ありふれた生活」が連載されている。
「ありふれた生活」にはイラストレーターの和田誠さんのイラストもついた週1の連載。
和田誠さんのイラストを見るのも楽しみである。
少し前だったと思うのだが、Eテレの「0655」は三谷さんのお気に入りだとか。
このマンスリーホットラインのバックナンバーでも書いたが「0655」とそれに「2355」は私もよく見ている。
金曜ワークショップは「あぁ…、そうそう。なるほど、なるほど。」といった感じ。
アニメのROG JAMも再登場した。
擬人化した森のくまやおおかみやうさぎの音楽仲間のアンサンブルと気のない猟犬を連れたとぼけた狩人との絡みは面白い。
Eテレの番組には、制作者の心がよく折れないものだと思う「ピタゴラスイッチ ミニ」や、蒼井優さんの考える練習のコーナーもある「考えるカラス」も面白い。
考えるカラス」は「観察」「仮設」「実験」そして「考察」と、化学の考え方を学ぶ。
ぴったりキャラの蒼井優さんの考える練習では自分で考察をする。
考える過程をつくるのに、あることから抜け出せなくなる思考のるつぼから脱却する回路を作る方法が習得できれば、別回路からアクセスするためのセーフティラインになりそうだ。
勿論、知識だけでなく豊富な経験は予測の巾をも広げる。

少し前の「ありふれた生活」には、白やぎさんと黒やぎさんの歌のはなしが載っていた。
これも面白かった。情報を求めないままの堂々巡りを三谷さんが考察をするといった話だった。
建築を考えるときフィードバックするか否かは初期の情報の量でほぼ決まる。
情報量が少なかったり後に新たに追加された条件等は、補充し必要に応じたフィードバックはせざるを得ない。
学生の時に高宮先生から学んだ消去法がある。
出来るだけ多くの情報を得る思考と収集した情報から不必要な条件をひとつづつ削っていくという論理が的確だろうか今も継続して自分なりに行なっている。

 

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風を誘う風鈴

 

八月は山滴る秋風月、木染月という。立秋を迎え、涼風至そして寒蝉鳴とつづく。
涼しい風が立ち始め、ヒグラシの声が聞こえる季節になる。
夕刻に打ち水をした。最中から風が動きひんやりとしてくる。
窓際に吊るした風鈴が、時折風に煽られ涼しさを呼んでいる。

日本の山岳の1003の山のうち87の山岳の標高の表示変更(48の山で1m高くなり、39の山で1m低くなる)をすると国土地理院が発表していた。
正確な計測をもとに表示変更がされたらしい。
近ごろ日本列島各地の火山の噴火があいつぐ。
九世紀の日本列島に通ずるところがあるらしい。
とはいうものの、表面的に見えないだけで地球の変動は常につづいている。
直接的なことに気を取られがちだが、地球規模の変動は休むことはない。
見えないところでの変化に比べ、地球の活動自体が見えるのは視覚的な判断もつき易いが、地核のプレートは常に動き変化が続いている。
そのためか海岸線の変化も進み、プレートの動きに引き寄せられ日本列島の陸地は太平洋側に沈み込み、少しづつ東側に動いているそうだ。
浜辺の砂浜の広さが昔に比べ随分と変化していると聞く。
広く遠浅の砂浜もすこしづつ小さくなり、思いがけず違った風景に見えるところも有るようだ。

 

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ジュズサンゴ

 

庭先のジュズサンゴの花芽が咲き始めている。
ジュズサンゴは花が咲きながら実をつける不思議な生態である。
実は夏から秋にかけ朱色がかった赤い色になる。
ゆく季節と訪れる季節の空には夏の雲の遥か上空に筋雲が見られ、夏から秋に移りゆく暑気と冷気が交差するゆきあいの空になる。

 

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