人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

Vol.127「endless thema - 122」(16年07月)

 

--------七月/白南風・・・日々のくらし

 

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フウチソウ

 

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アゲハチョウの若齢幼虫

 

玄関先に置いたフウチソウが風に揺れている。風知草と書く。
見つけるのが難しい程の穂のような花は、秋風を感じる頃になると咲き始める。
先月号に登場したアゲハチョウの幼虫はどこにいったのか。
うまく蛹となり巣だっていったのか心配である。
レモンの木の葉っぱにはまた新たに数匹の幼虫が生まれていた。
若齢のときはいがいがした茶色をしているが、四五回脱皮を繰り返すうちに緑色した幼虫になってくる。 夏の日差しは南からの風を運んで来る。
木陰を横切る白南風 (shirahae) もうれしい季節になった。

 

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サラダそら豆ファーベ

 

旬の遠のいたそら豆だが、生でも食べられるファーベというサラダそら豆は少し青臭い気もするが甘みはある。
サヤは湯がいてチーズに挟んで焼くとうまい。
ついでに、そら豆はしっとりタイプとほくほくタイプがある。
早い目の収穫のしっとりタイプは一分半から二分湯がくのがベストとか。
見分け方は豆の肩の凹みが黒くなるとほくほくになる。
黒くなるのは豆が栄養を補給している柄がはずれ酸化するからだそうだ。
この柄は栄養満点になると自然にはずれるらしい。実に自然は巧く出来ている。
サヤを剥いて柄が外れていたらほくほくタイプで三分ゆでるのがベストらしい。
私は皮ごと食べるが、皮の甘みは身の1.5倍あるそうだ。
ちなみにポルフェノールも皮のほうが多いらしい。
サヤの合わせ目の部分が黒ずんでいると、ほくほくタイプになるそうだ。
普通のそら豆のサヤのワタの部分も美味いらしい。
ワタの多いしっとりタイプのほうをサヤごと焼く。とろっとして甘くなるのだそうだ。
豆はそのまま食べ、とろっとしたわたをスプーンでほじって食べる。お試しあれ。
(6月8日放送 NHK ためしてがってんより)

梅雨時に繁殖するのがカビだ。
一般的にカビは気温20℃から25℃で湿度65%以上のときに繁殖し易い。
特に浴室廻りは黒カビが多い。
浴室洗いはざらつきを洗い流し水気を拭き取り、換気扇を廻しながらサーキュレーターで二〜三時間乾かし、カビがなるべく表面に定着しずらい環境にしておく。
水気を拭き取った後は一〜三ヶ月に一度のわりで目地や入り隅や排水溝蓋などに消毒用アルコールをスプレーしておく。
ウチではこれだけだが繁殖は抑えられる。
6月14日の「NHK ためしてがってん」で、黒カビの撲滅作戦を放映していた。
室内は低温や乾燥ではなく65℃の熱風でほぼいけるらしいが難しいので、浴室などは50℃の温水を5秒間、一週間に一度程度当てると表面のカビは死滅する。
そして50℃で90秒間あてれば目地の内部0.2mm〜0.3mmに繁殖したカビも死滅するそうだ。
表面に残った黒ずみは目地シールなどで補修しておく。
「予防は週一 50℃ 5秒、退治は50℃ 90秒」 が目安である。
「日々のメンテが一番、建物の維持管理は早めに!」といったところだろうか。

 

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イラガ

 

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センリョウの蕾と花

 

奄美地方は先月中旬に梅雨明けした。
このころに吹く季節風を沖縄では真南風(マハエ)と呼ぶ。
白い砂浜や夏のまばゆいばかりの日差しと重なりあう。
今朝、昨夜の雨で濡れた羽根を乾かしているのか、イラガが網戸に止まっていた。
日も暮れるころまでじっとしていたが、知らぬ間にいなくなってしまった。
前庭のセンリョウの花が咲いている。
朱色がかった赤い実の成るセンリョウだが、一見、見過ごしそうな実のような小さな花は、淡い黄色い蕾からはじけるように頭の黒い白色の丸い花が咲く。
今年も沢山の実が成ることだろう。

世界遺産・糺ノ森に計画された倉庫の行政訴訟が行なわれると報道された。
ふと、マンション建設のほうの騒動はどうなったのかと思いを馳せる。
計画地に隣接して点在する巨大なコンクリートの近代建築や決して伝統的とは言いがたい建物や劣悪とも思える建物も肩を並べ視野を横切る。
周辺の緩衝地帯に建つ建物のことを先に批評し、それにふさわしい整備を促し、その上で論ずる経緯が望ましかったのではないかと思える。
世界遺産としての糺ノ森のバッファゾーンにはこれはダメだろうとも思える建物や構造物その他も点在している。
視線に入るものはその整備もふまえ、糺ノ森から穏やかに町並みへとつづいていく風景が望まれる。

 

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