人と自然と建築と

nonobe's diary

endless thema -137------四月/猪の目 ino-me

 

 

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庭の草木たちは寒さを覚えるときから日々刻々と時を刻み、実のあるものは赤く熟し、花をつけ、香りのあるものは香りを放ち、今ではシラユキゲシが咲き始めている。紫明通にある紫明会舘の古木の桜も満開となっていた。淡い春色の白い花びらが長閑にそよ吹く風に呼応している。

 

 

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前号から随分と空いてしまった。年初めの一月号にと思っていた「猪の目」であるが随分と遅くなってしまった。毎年の賀状には其の年の干支に因んだ建築語彙を使うことが多い。今年は、伝統的建造物の懸魚や八葉などに見られるハート形の文様で「猪の目」を用いた。今年はその金物編。左から名古屋城本丸御殿の長押の八葉釘隠し。中は仁和寺御殿の板扉(板唐戸)に付けられた八双などにかわいいハート形が見える。右も同じく仁和寺御殿の板扉に設けられている唄金物で、中央の周囲にはガラスのような素材がはめ込まれているのか透明感のある輝きがうつくしい。

 

 

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仁和寺には昨年秋に特別拝観が有り参拝した。その日は、白書院、黒書院、宸殿、霊明殿のある御殿と、修復の終わった重要文化財観音堂、そして堂内の裏堂に描かれた五大明王が公開された国宝の金堂を見学した。観音堂寛永21年の建立で、堂内には壁画や柱画が描かれている。外部の軒廻りには蛇腹支輪、斗供の上の尾棰木には木鼻が掘られ、妻側には妻飾りなど装飾豊かな建造物である。金堂は慶長年間造営の御所内裏紫宸殿を寛永年間に移築されたもので、堂宮に見られるような組み物などの少ないシンプルな造りで、毅然としたプロポーションは端正で美しい姿をしている。

 

 

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御殿の廊下の板戸に描かれている桜の絵に目を引かれる。宸殿の床框に施された螺鈿細工や欄間の装飾、蟇股に彫り込まれた木目細かな文様など繊細な造りが印象的であった。特別拝観と言うことも有り人々人で、静かな日にゆっくりしたいそんな一日であった。