人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

Vol.88「endless thema - 83」(13年04月)

 

--------2013春/BWV 1028

 

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クリスマスローズ

 

花びらの先端の少し尖ったクリスマスローズはスタンダードなきりっとしたタイプだが、ひとくちにクリスマスローズと言っても色や形も違い種類もさまざま。

 

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先の少し尖ったクリスマスローズ

 

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丸みを帯びた花びらのクリスマスローズ

 

うちで最初の蕾をつける丸みをおびた花びらのクリスマスローズは清楚ではにかんだよう。
ゆっくりと大きくなり、最初に開花する紫色のクリスマスローズに合わせたかのように咲き始める。
ひとつの茎に二~三個の蕾をつけ、がくが小さいためか違う属のようにも見える。 暖かさを覚えるころに開き始め、茎の成長とともにつぎつぎと咲きつづける。

 

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ヴィオラ・ダ・ガンバハープシコードのためのソナタ

 

今、バッハの「ヴィオラ・ダ・ガンバハープシコードのためのソナタ集/アーポ・ハッキネンハープシコード)、ミッコ・ペルコラ(ヴィオラ・ダ・ガンバ)」というCDを聴いている。
ヴィオラ・ダ・ガンバとはガンバ(脚)のヴィオラ(弓で弾く弦楽器)という意味である。
ギターのようなネックをもち、名前の通り脚で支え竪てて弓で弾く古楽器である。
形はチェロよりなめらかで優しい形をしている。
弦は基本的に六弦でギターの指板に似た、ガットを巻き付け調整できるようなフレットがつく。
ヴィオラ・ダ・ガンバの起源はよくわかっていないらしいが、しくみはギターに近く、バイオリンやチェロとは構造や調弦奏法などが異なり別のグループとなる。

先月号にパット・メセニーの42弦ギターのことに触れたが、ヴィヴァルディのソナタでアーチリュートを使った楽曲があり、ソロでも使用されるが伴奏や通奏低音として使われるロングネックのアーチリュートのことを今月号にと思っていたのだが、偶然このCDを聴いていてヴィオラ・ダ・ガンバの暖かい音色とSonatas for Viola da Gamba and Harpsichord in D major/BWV 1028の春らしい旋律と和音の響きに心を動かされてしまった。
バッハのソナタらしい、メロディラインである独奏楽器の主旋律そしてハープシコードのオブリガード(助奏)と通奏低音と言う三声部を二つの楽器で奏でる。

クラッシックの古楽器には興味をひかれる楽器がいくつかある。
先のアーチリュートもそうだが、モーツアルトがこよなく愛し作曲に使っていたと言われているクラヴィコードは形だけでなく音色も優しくかわいい。

このCDには、Sonatas for Viola da Gamba and Harpsichord/BWV 1027,1028,1029の三曲のトリオソナタの他に Trio in D minor/BWV 583, Trio in G minor/BWV 584とKeyboard Sonata in A minor/BWV 967,Keyboard Sonata in D major/BWV 963 も収録されている。
TrioやKeyboard Sonata は偽物ではないかと云われているが、気に留めることなく感じたままに聴くほうがいい。
それよりもあまり耳にする機会の少ない楽曲と言うことの方が新鮮でいい。
フィンランドの聖ペテロ教会(ヘルシンキから西に40キロ程の南フィンランドのSiuntioにある教会)にて2006年の10月に収録されている。
この教会の持ち味なのか季節に依るものはどの程度あるのかなど音響的な詳細は不明であるが、少しウェットな気持に届く感じでやさしく包み込まれるような礼拝堂の音に、私的には好みである。

 

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窓際のハゼ

 

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新芽が顔を出し始めたヒメウツキ

 

窓際を飾ってくれている盆栽風に仕立てたハゼは、ここ数年古葉や古々葉が残っていたが、昨年暮れに紅葉し落葉した。
枝一本のまま数ヶ月、新芽は出るのだろうかと心配をよそに先端から薄緑色の芽が顔を出しぐんぐん大きくなりつつある。
裏庭の棚に置いた細い枝のヒメウツキも、春の初めのうすら寒さの残る日差しを浴び元気に育っている。
今年も沢山の花が咲くといい。

 

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