人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

endless thema -140------立春/鼠走

 

 

 

 

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昨暮から咲いている白ワビスケはまだ元気に花をつけている。とじ気味の白い花びらは控えめだ。蕾の育ってきたジンチョウゲ。初風にさそわれ、馥郁と匂い漂う季節が来るのが待ち遠しい。

 

 

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毎年其の年の干支に因んだ建築語彙を賀状や寒中見舞いに使う。今年は鼠走。写真は下鴨神社本殿の鼠走。鼠走 ( nezu-bashiri )とは、堂宮建築の板戸の軸を差し込むための穴のあるまぐさ ( 開口部の上枠 ) のことをいう。板戸廻りの造りの多くは、建築の様式や年代にも依るが、内法貫に取り付けられた藁座に板戸軸が差し組んである。主に柱頭をつなぐ頭貫の下方に設けられた内法貫に、藁座と言う雲形の部品を取り付け、藁座の下部に金属製の軸吊金具の碓金具に穴を開け板戸の軸を差し込んであるのを見る。それに比べ鼠走は簡略した造りだが、象徴的なイメージでもあり、シンプルで理にかなってるとも思う。

 

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裏庭のクリスマスローズの花芽が大きくなってきた。少しづつ頭をもたげてきている。花をつける頃には厚手の上着はいらなくなる。丸くなりがちな背中は伸び、少しばかり上を向いて歩ける季節になる。