人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

endless thema -158------ 2022年11月 秋深深 / フェノロジー

 

季節はゆきかい、カマツガの実は紅く染まり、シュウメイギクは蕾をつけ花を

咲かせた。

朝の窓に降り注ぐ光は穏やかになり、立冬を迎え小春日和がうれしい頃になった。

秋口には庭木の剪定も済み、松も生垣もすっきりした。穏やかな午後の日射しは、

庭の地表にも長く差し込むようになった。

 

 

 

石垣の隙間から伸びているギンミズヒキは陽が昇るのにつれ花が開き始める。

午後になると花は閉じ始め、また朝になると花は開き始める。

体の冬支度は寒冷順化、寒さに負けない体づくり。ホウチャクソウも黄色く

冬枯れを始めている。庭の風景も少しずつ冬に向かっている。

 

 

前回前々回と、生態系の北上の微妙なずれによる歪みが、どの程度の影響を

受けているのか気になると書いた矢先に、朝日新聞の「 気候変動が狂わす

命の営み 」と言う記事が掲載されているのを読んだ。

記事からは、このずれによる歪みを「 フェノロジカルミスマッチ 」と言い、

長期的な調査研究が必要とされるという。

近年の気候変動により、このずれの頻度が増加傾向にあり、生態系の共生関係

乱され始めているのだそうだ。

国連のフロンティア報告書でも、他種間の連鎖が噛み合わなくなってきている

警告をだしていると。

それは、昆虫と花の開花時期、その結実と鳥や動物、そして動物の冬眠時期、

鳥のヒナと幼虫の発生時期、魚とプランクトンの発生時期や農作物と昆虫の

関係などにも影響を及ぼすことになるという。

季節と生き物の関わりの変化をフェノロジー/生物季節 と呼び、気温や日照

の時間などから影響を受けることにより、生物はその変化に順応していく。

その度合いはそれぞれの種により違う為、いままでの関係を維持できなく

なっていく。如何に気候変動の幅を小さくするかが今後の課題となるようだ。

 

追談だが、三谷幸喜さんの連載「 ありふれた生活 」( 朝日新聞夕刊の毎木曜 )

に、以前に書いた内容と同じだと指摘されて調べたが、過去の別の発言などと

重なりあったことのようだと書かれていたのを思い出した。

仕事柄こういうご苦労は多いのだろう。

わたしのこのブログ「人と自然と建築と/endless thema 」は、バックナンバー

で書いたことのなかに繰り返し幾度もメッセージとしたいことが何偏かあり

必要に応じて繰り返し書き留めておこうとも考えている。