もうすぐ立夏となる。太陽高度は高くなり、汗ばむほどになった。イチゴの花は咲き、実の成るのが楽しみだ。
春間近のころ、立春の声と共に突然の寒波襲来にクリスマスローズの葉が萎れていた。寒さで凍るのを避けようと、水分を放出しているかららしいが、生き抜くための知恵だ。
暖かい日差しに包まれながら、今年も元気に咲いていた。
暮れに整理の予定だった溜まりに溜まった切り抜きやメモやスケッチの中に、朝日新聞夕刊(20231107)のシリーズ「建てモノがたり」に1918米蔵として建てられた煉瓦造の建物が紹介されているのを見つけた。「八王子れんが」が使用された木組煉瓦造 で、写真のキャプションには、地面に近い部分には松ヤニを混ぜた燃料で焼成され、つやと耐久性を増した焼過煉瓦が使われていると書かれている。写真から一段だけ見える巾木のような基壇部分で色の違いなどからも分かる。ちょっとした気遣いが感じられる建物である。
煉瓦は多種の積み方だけでなく、表現も多伎にわたる。今年の賀状蛇腹にも使ったねじりまんぽ( endless thema -126 マンスリーホットライン 2016.11月号 ------ 本ブログでは月刊アーカイブ2017 / 5のvol.131に掲載。)のことを以前に書いた。ねじれて見えるのは、トンネルの上を通るインクライン鉄道の荷重をより受けやすくインクラインに直角にレンガを積みたい。そのためトンネルと接する道の角度が直角ではないため、トンネルのアーチはねじれて見える。ねじれたアーチや端部の仕舞。職人さんの腕が冴える。
若い頃に訪れたフィンランドで見たアルバー•アアルトの建物の多くの出隅と言う部位は90度を成さない建物が多く見られる。しかしながら、アルバー•アアルトという建築家は役物は使わず、出隅角の煉瓦の仕舞はズレを利用したデザインを採用してある。自然な仕舞は、学ぶべきものがある。
最後の写真は校友会設計同人「れんじ」( endless thema 建築家シリーズ アルバー•アアルト /2003. 投稿 )。本ブログでは月刊アーカイブ2017 / 1に掲載。
Jyväskylän Yliopisto Seminaarinkatu 15, Jyväskylä 1951-71 by ALVER AALTO
/Photo by TEAM87