人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

Vol.118「endless thema - 113」(15年10月)

 

--------十月/日々のくらし・・・仲秋色々

 

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ルリタテハの幼虫

 

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ルリタテハの蛹

 

夏も終わりに近づくころに裏庭でルリタテハの飛んでいるのを何度か見かけた。
卵を産みにやってきていたようだ。
ふ化した幼虫は日増しに大きくなり、ホトトギスの葉を食い尽くす勢いで育っている。
一見、毛虫のようで蛾の幼虫にも見えるが、れっきとしたチョウの幼虫である。
刺されそうで、えっと思う風体だが、毒はない。
板塀近くで蛹になっているのも見つけた。
巣立って行くのが楽しみではあるが、ホトトギスの花のほうも心配である。
少しでも咲いてくれるといい。

先月上旬の台風18号の通過後、アウターバウンドと呼ばれる積乱雲が縦に連なる線状降水帯が被害を拡大した。
特に関東を中心とし、驚異的な雨量により鬼怒川は越水による堤防決壊となった。
渋井川や吉田川も同じく決壊に至った。
アウターバウンドの原因は、冷気を含んだ空気が低気圧になった台風18号に加え17号の廻りの湿った空気も引き寄せられ、上昇した空気によって次々と列をなすように雨雲を発生させたのだという。
自然の相乗効果は凄まじい。
津ノ宮の友人に安否メールをしてみた。
「無事。利根川の水位が高く恐怖。」と返信が届いた。
広大な利根川でさえ水位があがり水流も増していることだろう。
想像を絶する水のエネルギーは容赦がない。
本流の許容以上の勢いや水量でせき止められた支流の流れが行き場を失い戻され溢れる。
これをバックウォーター現象といい、越水に繋がる一要因とも言われている。
こういった状況においては、人命保護の方策は当然ながら、重要なのは被災した後であろう。
ライフライン等の復旧に至る救援支援の方策や手法といったことや情報の系統だったシステムの確立は急務を要する。

 

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相違沿いにみえる巨大なフライタワーは圧迫感を感じる

 

京都、川端通りから冷泉通を道なりに岡崎のほうに向かうと疎水沿いに旧京都会舘が視線に入る。
バックナンバー2012年7月号で書いたことだが、旧京都会館には景観論争や高さ制限もあり当初は保存を望む見識者の方々や市民の声でざわめいていたにも関わらず京都市は特例を掲げ施行に至っていた。
先立て所用の帰り疎水沿いを通り、しばらく車を止めて眺めていた。
舞台上部の巨大なフライタワーと呼ばれる部分や搬入口の庇などいろいろな付け足しにより際立ったデザインに化けていた。
保存改修のみで中小ホールとし大ホールは近接の他施設の増改築と言う手もあったと思うのだが、残念な気持で帰途した。
美しく老いていた旧京都会舘の風景を違和感もなく溶け込ませていた疎水沿いの風景は記録に残るだけとなった。

 

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チャイとさざなみさんのパン

 

今日は朝から秋の空。日差しのせいかほっとする肌心地。
いつものさざなみベーカリーさんに食パンを買いに行き、ついクリームチーズレーズンも買ってしまった。
冷蔵庫には昨日妻が作ったチャイティも冷えている。
しばし休憩タイムにするか。
いつだったかTVの番組で、おけらを見たことのある人は日本人の三割だと言っていたのを思い出した。
おけらの鳴き声までは記憶にないが、昔はどこにでもいたように思う。
子供の頃見つけてはそのツメの強いことに驚いたものだが、私はその三割に入るのかなどと思いを巡らす。

 

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ギンミズヒキ

 

陽が沈むと虫の音も聞こえてくる。
玄関先ではかよわい声でとぎれとぎれに鳴くのはマツムシだろうか。
やっと秋らしくなってきた。
鉢からこぼれたギンミズヒキが石積みの間で咲いている。
花のように見える顎は、朝開き午後には閉じる。
秋も深まるにつれ少しづつ少しづつ姿を消していく。
季節は寒露。日の暮れるのは早くなり、夜が長く感じ始める。
空気は澄み、空は高く見え、過ごし易い季節になった。

 

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