人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

Vol.69「endless thema - 64」(11年09月)

 

--------九月/時空

 

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葡萄

 

まだ暑さもつづく中、うれしいものが届いた。
巨峰。
高校時代の友人が毎年届けてくれる。
愛知県大府は気候も高温小雨で、葡萄は特産物の一つである。
露地物は八月中旬から九月中旬にかけて甘味がのってくる。
よく冷やし皮ごと頬張る。旨い。
今年は悪天候がつづいたせいか収穫は半減、出荷も遅れぎみだとか。
時節を感じるものが多い日本の暮らしは、記憶とともにうれしさも届けてくれる。

先月号に掲載したランが満開となり、
匂いに誘われたのかミツバチたちがやってきた。
その数のすごさ?普通の数では無かった。
ブンブンブンブンと羽を動かし集まっている。
妻がその音で気づき、窓越しに眺めていた。
こんなに群れているミツバチを間直で視るのも初めてだが、
匂いを発しミツバチを引き寄せるランの力もすごい。

「カメラ。カメラ。」と言いながら急いでシャッターを切ったのだが
ミツバチのスピードにカメラはついていけない?。
というか自分の腕がついていかないのか写真にはなかなか撮れない。
そんなあいだにも、ミツバチの数はどんどん減っていく。
終局に近いころ、妻がデジカメで動画を撮った。
視ているだけで癒されるのか、何だか楽しい。
群れているところが撮れなくて残念だったが、朝からのプレゼントに感謝したい。

 


ミツバチ(動画です。画面をクリックすると再生します。)

 

先立ての朝日新聞の科学欄で「時空の素粒子」という記事が眼に止まった。
素粒子というのは、これ以上は区切れないというミニマムの粒子のこと。
一般には、電子などのレプトンと呼ばれる粒子やクォークなど物質の素粒子や、
エネルギーの粒子のようなものなど物理学的な範囲の話であるが、
このような素粒子のような単位が時間や空間にも存在するのではないかという。
アメリカのフェルミ国立加速器研究所のクレイグ・ホーガンという博士が、
来年完成予定の実験装置によって検証するらしい。

実験結果がどうであれ、目に見えている空間に
ミニマムの仕切りがあると考えるのは不思議なことでは無い気もする。
また、時間にも同様な区切られる
最小単位が在るかもしれないと考えるのも自然な気もする。
結果が楽しみであるが、今見えているものが
流動的では無くコマ送り的な世界だと言うことになれば、意識も変わる。
早送りは不可能かもしれないが、コマ送りならストップも巻き戻しも可能。
タイムマシーンが創られ、手軽に時空を行き来でき、
フィクションの世界が一気に現実の世界へと近づく。

時間や空間をコントロールできれば
ミツバチが群れてるぐらいのこと瞬時に捉えることができ、
記録の形式さえ変わってくるだろう。
今は妄想の世界だが、建築空間に時間が加味され建築時空となれば、
どんな世界が広がっていくのだろうか。
まあ、それよりもミツバチの記録は腕の問題と言われなくて済みそうだ。

 

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ヤモリ

 

庭の片隅から、ヤモリ君。
家の周りでちょいちょい見かける。
窓ガラスにへばりついていたり、植木鉢の木陰で、
挙動不審な態度でキョロキョロしている。
金色がかったイケメンのトカゲッチも見かけるが、愛くるしさでは君の勝ちだ。
気が向いたらいつでも遊びにおいで。

 

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