人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

Vol.128「endless thema - 123」(16年08月)

 

--------八月/立秋そして処暑

 

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観賞用トウガラシのパープルフラッシュ

 

裏庭に置いた観賞用のトウガラシはパープルフラッシュという。
風通しの良い日のあたるところに置いている。
グラデーションのように、クリーム色、薄緑、薄紫、紫、黒紫の葉をつけている。
葉色にちかい黒紫色の実が出来、熟すにつれて赤みがかって来る。
根が浅いので薄い鉢でも水きれさえ注意すれば充分育つ。
観賞用といってもトウガラシはトウガラシ、実をさわった後は気をつけたほうがいい。

 

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御神輿の一部を掲げ歩く

 

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御神輿の衆

 

先月、祇園祭りの前祭の山鉾巡行のあった日の夕刻前に、寺町通りにあるギャラリーで知人のグループ展があり覗いてきた。
丁度、寺町通りを行く白い法被を着た衆たちに出くわした。
聞く所によると、神輿渡御を事前に神様に御知らせする予行みたいなもので御神輿の一部だろうか頭の上に掲げて通って行った。
この後、八坂神社の御祭神であるスサノヲノミコト、クシイナダヒメノミコト、ヤハシラノミコガミがそれぞれ三基の御神輿に移り、八坂神社から四条寺町の御旅所まで氏子区内の別々の道を廻る。
神様が御帰りになる二十四日には後祭りの山鉾巡行が行なわれ、夜半には八坂神社本殿に戻られ祇園祭は終了する。

山鉾巡行は神様が御出になるのに行なわれる。
神の使いの稚児が注連縄を太刀で切り結界を解き、神域のなかを邪気や疫病をもたらす疫神を鎮めるため山や鉾が街を廻る。
そのあと、清められた街中に神様は御出になり、御旅所に一週間滞在される。
御帰りになるときも山鉾が先に街を廻りそのあと御神輿に移った神様がお帰りになる。
古式にのっとり、数年前から後祭りの山鉾巡行も行なわれることになり、八坂神社の祭事は本来に戻った。

祇園祭も終わり暑さも真っさ中。
立秋を過ぎれば、季節の挨拶状は暑中見舞いから残暑見舞いとなる。
昭和二十年八月十五日の正午は、昭和天皇による「終戦詔書」の朗読放送の流れた日である。
暑さとともに、野坂昭如原作のスタジオジブリ制作によるアニメーション「火垂るの墓」を思い出す。
持っていき場のないどうしようもないつらさと悲しみで心痛む作品であるが、純粋で無垢な心も描いた美しさも記憶に残る。

 

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ギンミズヒキ

 

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ジュズサンゴ

 

鉢植えのミズヒキは今だ芽も出ていないが、石積みの間に育つギンミズヒキは適度の湿度がいいのか居心地がいのか、驚くほどの早咲きだ。
鉢植えのジュズサンゴは小さな白い花も咲き、実も出来始めている。
一穂に実と花が同時にできる不思議な花だ。
実も熟し秋を感じるころから葉は赤みがかって来る。

 

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ユウレイグモ

 

十六日には五山の送り火が行なわれ、京都の暑い夏の祭事も一段落となる。
窓際にはユウレイグモがお散歩だろうか、それともお昼ご飯を物色中か。
暑い最中しばらく休憩していたようだが、気がつくとどこかに行ってしまっていた。
今夏はラニーニャ現象で暑い日々がつづく。
今月二十三日は処暑。暦の上では暑さも和らぐ。
もう一息、秋の気配が待ち遠しい。

 

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