人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

endless thema -148 ------ 十ニ月/広島原爆ドーム

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生垣のサザンカが咲き始めている。前庭はマツの剪定に合わせて秋の風を感じる頃に綺麗にしてもらう。丁度、サザンカの花芽が出始めの頃に重なる。

以前は、三月のまだ肌寒い頃に剪定をしてもらっていたが、植木屋さんの奨めもあり、以来秋口にお願いしている。秋口は花が咲いたり実がなったりし始めるので、なるべく出始めの花芽や実や草木を守り残しながら剪定してもらっている。お陰で、少しづつ賑やかではあるが冬の澄んだ景色になってくる。

 

 

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2019年春にリニューアルオープンした原爆資料館の音声ガイドには、前回同様に吉永小百合さんがオープンに合わせて26の展示ガイドを16年ぶりに再録音されたと、当時新聞の記事で知った。陰日向と、見守り、向きあうゆかしさが記憶に残っている。

 

12月4日の朝日新聞には、広島の原爆ドーム世界遺産に登録されて12月7日で25年という記事が出ていた。ドーム内の写真には、耐震補強のための鉄骨部材が幾層にも設けられているのが見える。崩れ落ちたと思われる痕跡も確認できる。1945年8月6日、投下のあった日から76年の歳月が経った今、記憶に残しておかなければならない歴史である。

 

バックナンバー (人と自然と建築と/endless thema -105、106 )でも書いた広島平和公園は、建築家丹下健三氏の設計である。夏の祈念式典から四ヶ月程経った。式典はいつもTVで見る。生い茂る木立越しに原爆ドームが視線に入る映像からは、歳月を重ねて丹下氏の想いと共に祈念公園として成長し続けているように見えた。

記憶は薄紙を剥ぐ様に薄れていく。そうならないためにと、書き留めておくことにした。