人と自然と建築と

nonobe's diaryーArchitect Message

endless thema -166 ------ 2023年6月 初夏 / ムジナモ

台風の影響がつづくなか、陽射しは随分と高くなった。生垣の足元のサツキは少しづつだがまだ咲きつづけている。サツキも、もうそろそろと言う季節になった。

 

ミニバラの小枝を妻がご近所さんから頂いてきた。早速花入れに入れたのだが、よく朝あたりから黒い粉のようなものがぱらぱらと。チリか花粉かなどといっている最中に、葉が食され何か動くものを発見。調べてみたらチュウレンバチの幼虫のようだ。人に害はないらしい。見つけたらつまんで駆除している。小ぶりの白花が綺麗だ。蕾も沢山あり少しづつ開いた。

 

6月1日の朝日新聞夕刊に連載の「 三谷幸喜のありふれた生活 1135 」中に 「 もちろん僕のことを正確に知らなくても、生きる上で何の不都合もない。僕としても、あの男はいつまで経ってもよく分からない奴だな、と思われていた方が、どちらかと言えば気が楽ではあるのだが。」と、いうくだりがあった。つい、そうそうと共感しながら読ませてもらった。建築と言う仕事はプライバシーにも抵触することもあり、他言は必要以外はしない。自身としても、なんかぶらぶらしてるという感じに見られるのが、結構好きなほうである。建築事務所と聞くと、設計監理と考える人が多く図面ばかり描いていると思われがちだが、建築というワークのなかのひとつが設計監理業務である。建築と言う捉え方からすると、人がかかわること全てに繋がっている、と考えるのが好ましい。

何してんだかって思われているうちが一番楽しいし、客観視できている瞬間かもしれない。

 

その三谷幸喜さんの書かれている紙面のエコ•サイエンス欄に「 ムジナモ 」の記事があった。放映中のNHK朝ドラで話題の牧野冨太郎が発見命名した食虫植物のことが書かれてる。中央大の西原昇吾さんらのチームが石川県のため池で発見した。ムジナモは国際自然保護連合レッドリストに分類される。国内では人が手を加えた個体群として確認されているにすぎない。今回の発見は自然のまま生息した個体群としては、国内唯一と言う事らしい。ため池の撤去や保全の補強工事等を施すような場合には、十分な調査検討が必要と指摘されている。

ムジナモはミジンコなどを捕食する食虫植物で1890年に発見され、名前はムジナのシッポに似た藻という意味らしい。かたちも可愛いが、名前も面白い。

いろいろなところで、いろいろな調査研究が進んでいる。沢山の小さな研究からは、大きな事由へと繋がっていく想いがする。